6/2012

BRUN

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Photos: Masao Nishikawa

敷地は都心の大通りから程近い閑静な住宅街の一角。小さく分割された東南の角地は、わずか65m2ほど。建主は建築好きの30代カップルで、タイムレスなデザインをこの小空間に求めていた。

間口が狭く奥行きの深い敷地の横には奥の敷地へ繋がる通路の余白があるため、直射日光を取り込めるようランダムに開口を設けた。その一方で、道路面はプライバシーを考慮し、木製ルーバーで閉鎖的に仕上げている。開口部と濃茶色のガルバリウム鋼鈑外壁のコントラストが落ち着きのある角地のファサードをつくりあげている。

ピロティーには小さな駐車場と玄関を用意。1階には夫婦の寝室に加え、奥にはご主人の趣味である自転車が陳列された倉庫兼ギャラリーがある。2階に設けたファミリールームは斜線制限による斜壁を活かした吹き抜けに面しており、天窓からは安定した拡散効が室内に降り注いでいる。細長い一室空間に高さを与えることで、間口の狭さを感じず、奥行きを強調することにも一役買っている。

吹き抜けと階段エリアに面した3階の廊下部分を活かして設けたのはスタディルーム。その両脇に設えた2つの趣味空間は、斜壁を活かした屋根裏部屋のような雰囲気で、陽光を浴びながら心地良く籠ることができる。
延床面積わずか93Fの都市小住宅だが、縦に連続するワンルームとしてひとつながりの空間が展開している。外部を見るかぎりでは、この驚くほど豊かな内部空間を想像することは難しいだろう。

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