6/2013

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by Neoplus Sixten Inc.

ARROW

実家の敷地の一部を利用したSOHO住宅。1階の一部を写真スタジオとして使用し、玄関を設けた2階に生活空間を設えた。分筆された敷地は間口が狭く奥行きが深い鰻の寝床であることから、母屋との距離感やコントラストを考慮しながらアプローチの奥行きを生かした外観デザインが求められた。

1階の写真スタジオ正面はガラス張りのオープンスタイルにすることで、小空間でありながら外部と一体化した中間領域が心地良さを生み出す。

2階玄関への緩やかな勾配のアプローチ階段はシャープな斜壁と程良く調和しながら特徴あるファサードを構成し、訪れる人々が誘われる仕掛けとして機能する。北側斜線による勾配屋根が独特の内外観を生み出し、屋根の頂部に設けたスリット状の天窓からの光が白一色の室内にドラマティックな陰影をつくりあげる。遮るもののない天窓からの空の景色は、そこが住宅密集地であることを感じさせない効果もある。おおらかな一室空間の2階は、梯子でアクセスするロフト空間も多目的に利用可能。空間の随所に垣間見える「斜め」の要素がリズミカルに連続することで室内に心地よい緊張感が生まれる。様々な自然光と戯れられる住居空間は写真の撮影場所としても使用しているため、ON/OFFの境がはっきりと存在しないのもこの住宅の特徴だ。

Photos: Masao Nishikawa

TEPE

小高い丘の上に建つ、大きく迫り出した外観が印象的なロケーションハウス。トルコ語で丘という意味のこの住宅は両親宅の横に位置し、界隈のシンボルになっている。

敷地の前部に駐車場とアプローチ階段を設置し、丘の上にある玄関へとアクセスする。敷地の大多数が斜面地であることから、平坦面で基礎を支持しながら鉄骨により先端を浮かせているのが特徴だ。キャンティレバーのカウンターウェイトを負担する基礎部分は、その深さを利用した床下収納とするなど随所に断面的な工夫も施している。

吹き抜けの玄関には天空から光が降り注ぐ。玄関から土間が連続する形で設けたLDからの眺めは絶景で、手入れの行き届いた隣家の庭も借景として上手く取り込んだ。リビングとダイニングを繋げる緩やかなステップは空間に舞台性が生じ、トップライトによりドラマティックな陰影が浮かび上がる。敷地を有効利用するために迫り出したバルコニーは半屋外空間ならではの奥行が感じられることに加え、道路面からの見上げの視線を遮る役割もある。

開放的な1階とは対照的に2階の主寝室や子供室には共通の中庭を配し、プライバシーの高い庭や空の景色が味わえる。子供室の地窓からは丘の下の景色まで連続する仕掛け。高低差を断面的に操作することで奥行きやリズムを至る所で堪能できるのがこの住宅最大の特徴だ。

Photos: Masao Nishikawa

SMALL HOUSE SERIES - - - 小さいからこそできること

Vol.07 "LATTICE"
Photos: Masao Nishikawa

敷地は東京東部の住宅密集地。ファサード全面が木製ルーバーで覆われた単身者の住宅。間口が狭く奥行きが深い敷地に、大型乗用車一台分のピロティガレージを確保するためRC薄肉ラーメン構造を採用した。中央を貫くストリップ階段により手前と奥の空間が緩やかに繋がり、上階は吹き抜けを介したスキップフロアによる立体的な構成とした。ペントハウスから降り注ぐ光のシャワーが閉鎖的な小空間を満し、ブルータルな空間に深い陰影を刻む。

AWARD

Le49 が「2013年度東京建築賞奨励賞(戸建住宅部門)」にが選定されました。

Photo: Masao Nishikawa

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