世界から見た日本の建築デザインの今を知る

海外メディアでの掲載をお薦めする理由のひとつとして「客観性が得られること」を挙げている。
実際海外の編集者はいま日本の建築・デザインをどう見ているのだろうか?また、何を基準に掲載を決めているのだろうか?投げかけてみた結果をいくつかシェアしてみたい。

Q1. 日本の建築・デザインで好きなところは?

エモーションの伝達力。
Interiores Minimalistas編集長(スペイン)

狭くても最大限活用しようする空間の使い方! タイムレスなデザインもいい。
Competitionlineエディター(ドイツ)

狭い空間を居心地の良い快適な場所にまとめあげる力。
Elite Interior magazine編集長(ロシア)

モダンと伝統の調和。
Marie Claire Maison Korea 編集長(韓国)

シンプルでミニマルなところ。自然との距離の近さ。
Designscape編集長/建築事務所主宰(マレーシア)

見事なクリエイティビティー。ユーザーなどよく人のことを考えているところ。
Architektura & Biznesの編集者/建築家(ポーランド)

シンプルさ、伝統、庭、インテリアデザイン。
Tianjin Ifengspace Media Co.,LTD 編集長(中国)

シンプルさ。美しさ。自然との繋がり。工芸のクオリティー。バランス。マテリアルを丁寧に使うところ。
Visual Potluck 共同創設者(アメリカ)

Q2. 逆にあまり好きでないところは?

あるジェネレーションの日本の建築家は似通っている。
ArchDailyアーキテクチャーエディター(チリ)

真っ白で軽すぎる感じ。時折どれも同じように見える。
art4d コントリビューティングエディター(タイ)

近隣の視界をあまり考えないところ。真っ白な住宅も、ここで赤ワインをこぼしたらどうなるの?!と思ってしまう。
Frame Publishers ブックエディター(オランダ)

日本を外から見ていると、中で何が起きているのか、どんな建築家がいるのかなど分かりづらい。コミュニケーションの流れが良くないのだと思う。
Via Plus Architecture編集長(スペイン)

意外性が無いところ。
Design Milk 創設者・エグゼクティブエディター(アメリカ)

伊丹潤。
INTERIORS エディター(韓国)

現代建築にみられる商業的な方向性と日本らしさの減少。
Tianjin Ifengspace Media Co.,LTD エディター(中国)

シンプルすぎたり、冷たいかんじがするところ(勿論すべてに当てはまらないが)
Architektura & Biznes編集者/建築家(ポーランド)

日本的でなく西洋的なもの。
Interiores Minimalistas編集長(スペイン)

Q3. 掲載する作品の決め手となるものは?

コンセプトと写真のクオリティー。
gooood 共同パートナー/エディター(アメリカ)

直感。
Design Milk 創設者・エグゼクティブエディター(アメリカ)

写真。そしてプロジェクトの革新的要素。
Blog del Diseño編集長/マーケティングディレクター(スペイン)

先ず直感。次にコンテンツを読んで判断。その作品が沢山の賞を取っているかも見ている。
Architektura & Biznesの編集者/建築家(ポーランド)

様々な要素が関係している。例えばそのプロジェクト或いはプロダクトが選ればれたのは”オリジナリティーがある”、”完成度が高い”、”マテリアルのあたらしい使い方を示している”等の理由もあるかもしれないし、その価値観にあるかもしれない。或いは単純にその作品にストーリーがあるからという場合もある。 読者のほとんどは建築家・デザイナーなど業界のプロフェッショナルなので、彼らにとって有益と思えるプロジェクトを選ぶことにしている。
Frame Publishers ブックエディター(オランダ)

感覚で決めている。私の心を掴み”掲載したい”と思わせてくれるか。
Competitionlineエディター(ドイツ)

真新しさ。環境問題への取り組みとそのクオリティー。読者がそれから何かを学ぶことができるか。
Via Plus Architecture編集長(スペイン)

作品のプレゼンテーション。良い写真やきちんと編集された図面などの資料があると検討できるから。
ArchDailyアーキテクチャーエディター(チリ)