6/2012

RING

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Photos: Masao Nishikawa

敷地は東京郊外にある閑静な住宅街の一角。新旧の住宅が混在し、密集するエリアでありながら、建主は開放的な空間が求めていたため、環境との調和に加え、プライバシーの確保がテーマとなった。

北東角地に面する敷地に建つ白い住宅は、各面に水平連窓があるだけの閉鎖的な外観。外から中の様子を伺い知ることは出来ない。駐車場を兼ねたエントランス上部には、大きくせり出した袖壁が輪状に展開し、半屋外のようなピロティー空間をつくりだしている。外部でありがらも内部のような中間領域は絶妙なバランスでプライバシーを演出している。

夫婦の寝室と子供室、水廻りを設えた1階に対し、2階にはファミリールームを設け、大きな一室とした。木造でありながらも南面に全開できる窓が実現できるのは、鉄骨柱を部分的に用いたラーメン構造にしているからだ。窓外に見える雑然とした街の風景を遮断するためにも、輪状の外壁は一役買っている。外部からの目線を遮りながらも空の風景を切り取り、室内に借景として取り込む仕組みだ。また、バルコニーに配したグレーチング床は階下に光を落としつつ、1階外部からの視線を遮断する役割も担っている。

プライバシーの高い1階に対し、2階のパブリックルームは中央に配したオブジェのようなキャンティ階段のよってリビングとダイニングキッチンが緩やかに分割されているものの、連続する傾斜天井により空間はひとつにまとまり、静寂な空気が漂っている。

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