12/2012

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by Neoplus Sixten Inc.

DENT


歯科医の御主人は奥様と二人の子供との生活を楽しむために、都心近郊の閑静な住宅地の一角を購入。旗竿敷地特有の細長い通路の奥にはキャンティバルコニーの格子が控えめな外観をつくり、一方、内部には木造2階建てとは思えないほどの開放的な大空間が広がっている。

玄関前のピロティガレージに加え、玄関脇には愛車ポルシェ911を格納できるビルトインガレージを配置。廊下脇に設えたコンパクトなガラス張りの書斎からはショーケースに納まる愛車を眺めながら一時が過ごせる。ガレージ奥に設けた主寝室からは中庭が望め、上階に敷設されたグレーチング床を介して十分な朝日が注ぎ込む。

玄関脇から直階段を昇ると現れるのが吹き抜けのファミリールーム。両側に設けた大開口によって切り取られた空の景色が室内に取り込まれ、3枚の木製引戸を全開することで内外が連続する仕掛けだ。アイランドキッチン脇に設けたコンパクトな和室は客間としても利用が可能。バスルーム等水廻りを含めた全空間が外庭と連続しているが、繊細な木製ルーバーにより隣家や街路からの視線が遮られ、プライバシーと開放性を両立させている。垂木と野地板の色味を塗り分けたファミリールームの勾配天井の現しが室内に浮かび上がり、子供の遊び場として設えたロフトと吹き抜けを介してダイナミックに連続している。

四方を隣家に囲われた都市部の旗竿敷地という一見ネガティブな環境だからこそ生まれる内外のコントラストは、家族や訪れる人々に心地良いサプライズを与えるに違いない。

Photos: Masao Nishikawa

GROW


デザイナー夫婦の仕事場を兼ねた住宅が建つ都心の一角は、土地区画整理事業の換地として割り当てられた僅か20坪弱の狭小地。エントランスに設けられた夫婦の仕事場は、ビルトインガレージと一枚の透明ガラスで仕切られたコックピットのような空間。ひとたびガレージドアを全開すれば、内部空間は街路と一体化し、心地良い中間領域が生まれる。1階奥に設えた小さな中庭周辺は上階から降り注ぐ拡散光で溢れ、隣接する主寝室に安らぎをもたらしている。

中央に設えた螺旋階段を上ると、2階には3人の子供部屋に加え大きなボディールームが広がる。置き型のバスタブが置かれた浴室とユーティリティーは可動カーテンによって間仕切られ、コンクリート壁に囲われた中庭側のドアを全開すれば、光と風に包まれながら露天風呂気分が味わえる仕組みだ。

最上階は吹き抜けのあるファミリールーム。斜線制限により生じた傾斜屋根を利用したハイサイドライトやトップライトからは空や都心のパノラマが望め、室内には十分な光が注ぎ込む。畳敷きの造作家具を設えたリビングでは床座の空間が堪能でき、小さなツリーハウスのような気分を味わえる。キッチン脇のサービスバルコニーにはプランターが配される予定で、緑に囲まれながら開放的な気分で料理を楽しむことができる。

塔屋を経由して辿り着く屋上庭園はまさしく都市の憩いの場。開口部を抑えたコンクリート打ち放しのファサードからは想像できないほど内部は開放感で溢れた小住宅は上下階を移動しながら様々な表情を楽しめるのが特徴だ。

Photos: Masao Nishikawa

SMALL HOUSE SERIES - - - 小さいからこそできること

Vol.05 "LUFT"

NYのタウンハウスのような都市狭小住宅は1階に母の部屋、2階より上部は娘夫婦の空間が広がる二世帯住宅。垂直に散歩するように生活を楽しむために中央に設えた階段はスキップフロアで連続する各階の空間を一階からロフト、屋上までリズミカルに接続している。中央に設えた本棚から取り出し、階段に腰掛けながら読書を楽しむのも一興だ。上部に設えた天窓から降り注ぐ光がガラス張りの内部空間に彩りを与え、まるで都市の中にもぐりこんだような室内空間が広がっている。

MICRO GREEN

黒崎敏が翻訳を手掛けた「かわいい隠れ家」が12月に二見書房より出版されました。MICRO GREEN(ミミ・ザイガー著 RIZZOLI)の翻訳本で「小さな家、可愛い家」に続く第二弾です。
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AWARD

RAYLe49「2012年度日本建築家協会優秀建築100選」に選定されました。
Le49 が「GOOD DESIGN AWARD 2012」(住宅部門)を受賞しました。

APOLLO一級建築士事務所 / APOLLO architects & associates
www.kurosakisatoshi.com

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